FAQ
Q.咳の治療のポイントを教えてください。
A.まず咳の診断ですが、咳以外の症状がなければ大抵は風邪です(過度の痰、胸痛、呼吸苦、胸やけ、その他上気道以外の局所症状、発熱、倦怠感、体重減少などは他の疾患の可能性があり、精査後、原疾患の治療を行います)。ここでは、風邪とは広義に急性上気道炎と考え、マイコプラズマや百日咳なども含めたものと考えて下さい。
風邪の咳は通常1週間以内で収まりますが2-3週あるいは1-2カ月程度持続することもあります。持続が長い場合は徐々に改善傾向だったり、改善と悪化を繰り返す場合が殆どで、①病原体が強い(百日咳など)、②繰り返し別の風邪を引いている、③アレルギー反応を合併しているなどのケースと思われます。治療は根本的な治療としての抗生剤投与、免疫力強化(局所;禁煙など、全身;睡眠・休養など)が大切です。そのうえで鎮咳剤、抗アレルギー薬、喘息予防薬(時に発作改善薬)、気管支拡張剤などを単剤あるいは複数併用します。それでも完全に咳を止めることは出来ないケースが多いように思われます。
☆咳以外の症状がある場合は風邪以外の病気に注意しましょう。咳の場合、大抵は風邪です。風邪の診断の場合は焦らずに体調管理を優先しましょう。
Q.耳垢は掃除したほうがいいですか?しないほうがいいですか?
A.ケースバイケースですが、基本的にはしないほうが良いです。
もともと耳垢は自然に外に出るようになっています。掃除をしすぎると、外耳道の皮膚が炎症を起こし外耳湿疹になります。外耳湿疹ではかゆみと耳垢が増し、余計に耳掃除をすることになります。その結果ますます外耳湿疹が悪化する、あるいは傷から菌が入り外耳炎にもなりやすくなります。
この悪循環を断ち切ることがとても大切です。治療の基本は耳掃除をしないことです。
綿棒で外用ステロイドを1週間程度塗るとかゆみはほとんど収まります。以後かゆい時に短期間だけ外用ステロイドを塗り、それ以外には耳掃除をしないようにしましょう。
なお耳垢が湿ったタイプのかたが時々いらっしゃいます。いわゆる”飴耳”のかたですが、耳垢が溜まりやすいようです。飴耳のかたは定期的に”耳掻き”で外耳道の皮膚を引っ掻かないように注意しながら掻き出すように掃除されたほうが良い場合があります(綿棒では耳垢を奥に突っ込んでしまう危険性があります)。
Q.のどに痰がからんでなかなかすっきりしません。何が原因でしょうか?
A.痰がのどにからむ症状はかぜの主症状ですが、実際に痰を吐きだせない場合は舌扁桃炎などののどの腫れ、胃酸逆流による下咽頭の腫れなどのことが多く、まれに声帯polypや腫瘍性疾患が見つかります。
痰が実際に吐き出せる場合は痰の発生場所の究明がポイントになります。実はのどではあまり痰は生じません。痰は主に鼻(副鼻腔)で生じてのどに垂れる(後鼻漏)か気管(支)で生じて咳とともに上がって来るのです。
痰の性状がさらさらで透明の場合、主にアレルギー反応(アレルギー性鼻炎など)や感染症の初期(急性鼻炎など)などが殆どです。粘調な痰の場合は副鼻腔炎(蓄膿症)、気管支炎、気管支喘息、肺結核、肺癌など多疾患の可能性が出てきますが、痰の色をはじめ詳細な問診で大抵鑑別できます。
Q.風邪の治療のポイントを教えてください。
A.まず、風邪とは急性ウイルス性上気道炎のことです。急性上気道炎というのは、頭痛、鼻水、のどの痛み、痰、咳などから容易に診断出来ますが、原因がウイルス性か、細菌性かそれ以外かを瞬時に判断することはなかなか難しいものです。実際様々な病原体が合併感染を起こしているケースが多いように思われます。当院では、風邪を急性上気道炎と広義にとらえて治療しております。
治療は原因の解消に他なりません。原因には①攻撃因子(病原菌;ウイルス、細菌、その他の病原体)②防御因子(局所免疫、全身免疫)があります。①攻撃因子のうち、ウイルスには薬がありませんが細菌やその他の病原体には適切な抗生剤・薬を投与します。②防御因子のうち局所免疫の強化としては、保湿・保温、禁煙などがあります。全身免疫の強化としては睡眠(休養)・栄養・節酒(禁酒が医学的には好ましい)などがあります。防御因子のなかでは特に全身免疫の強化が重要だと思われます。全身免疫強化の目的では漢方薬を投与します。なお、西洋薬(いわゆる総合感冒薬、消炎鎮痛解熱剤、抗アレルギー薬、鎮咳・去痰剤など)は対症療法で風邪を根本的に治す作用はありませんが症状を軽減することでストレスを減らし全身免疫強化につながることを期待します。
☆当院では確実に風邪を治すために、抗生剤の投与、全身免疫の強化にポイントを置いております。全身免疫強化の最重要項目はやはり睡眠と考えております。
Q.①禁煙のコツを教えてください。
②減量(食事療法、運動療法)のコツを教えてください。
A.①喫煙は極論しますと精神依存と考えられます。無意識の深いところで個人の”心が要求”していますので、なかなか意識的に禁煙を成功させることは難しいことなのです。
まず”禁煙をしないといけない”から”禁煙をしたい”に変えることが大切です。
つまり”意識”ではなく”心=欲求”に変えましょう。
コツは以上です。
禁煙したい理由をいろいろ見つけましょう:天寿をまっとうしたい、癌になりたくない、心血管病、脳血管病になりたくない、在宅酸素はうけたくない、空いた時間が出来る、新しい趣味が持てる・・・。
※禁煙に成功している方は皆禁煙したい自分自身の明確な理由を持っています。
②減量のコツも全く同じです。痩せたいと自分自身の明確な理由を育てましょう。
☆恥ずかしさや気まずさなどで周りの方々の目を気にしてはなかなか御自身の欲求を実現することはできません。是非”勇気”をもって貪欲に欲求を実現してください。
Q.生活習慣病(高血圧、糖尿病、高脂血症(脂質異常症)など)の治療のポイントを教えてください。
A.生活習慣病を考える上でまず大切なことは、ごく初期の段階である正常高値血圧、メタボリックシンドローム(あるいはその前段階)、食後高血糖、食後高中性脂肪血症などにおいてすでに動脈硬化が始まっているということです。つまり、健康診断で正常と診断されていても、本当に健康、あるいは万全といえるかどうかはわからないということになります。
血圧が高血圧ほどではないがやや高め、食後血糖値だけがやや高い、食後中性脂肪だけが高い場合はそれぞれ高血圧や糖尿病、高中性脂肪血症などの兆候として警戒すべきです。20歳ごろと比べて少しでも体重が増えているという方は内臓脂肪が増えていないかどうか疑ってみるべきです。また喫煙、飲酒、運動不足、不眠、過度のストレスも要注意です。高脂血症、高血圧、糖尿病あるいはメタボリックシンドロームの診断がつく前からの注意・予防が非常に大切です。
予防と治療は基本的には同じです。高血圧は交感神経亢進(ストレス、飲酒など)、塩分過多、肥満・内臓脂肪、運動不足などが主因です。糖尿病、高脂血症、メタボなどは肥満・内臓脂肪、運動不足、飲酒、喫煙などが主因です。これらの是正が大切です。禁煙、節酒ないしは禁酒(おそらく医学的には禁酒が一番良い)を成功させ、内臓脂肪を減らし筋肉をつける(食事療法と運動療法)事が重要です。食事療法は摂取カロリーを制限し、食事内容がバランスよく、規則正しいことを心がけます。運動療法は有酸素運動(1-2日に一度の30分-60分程度のウォーキングなど)を適度に行うだけで十分です。
上記の生活習慣是正が達成されない場合は時を逸することなく薬物治療を開始した方が安全です。なお、上記の生活習慣是正が達成されたにもかかわらず、高血圧、糖尿病、高脂血症などに改善が見られない場合は二次性のものも考えられますので内分泌機能、膵臓、家族性などの検索が必要になります。薬物療法は各学会でガイドラインが定められていますので、目標値を決めて治療ができます。目標値は年齢、性別、心血管疾患の家族歴、喫煙、高血圧、糖尿病、高脂血症などの動脈硬化のリスクファクターの有無で決まってきます。
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